キスが教えてくれたもの♪
「あたしはね、取り込んでる最中だったらあんたが行っても邪魔なだけだよって言ったんだけどね。
あそこの病院は完全看護だから、夜は家に帰される。霧子は一人で心細くしてるに違いないって」
「確かにそれは当たってる」
「でもあたしはピンときて、下心見え見えだ、ってからかったらさ。
あいつってば本気で怒って。
『俺は霧子が心配なだけだ』って」
咲が面白そうに捲くし立てた。
「泊まったっていっても、あいつは居間のソファーで寝たし。
山之辺はわたしが寝るまで手を握ってくれただけだよ」
「へぇ~、ちょっと見直した。
あいつにもそんな優しいとこあるんだね。
霧子、大切にされてんだなぁ」