キスが教えてくれたもの♪
いくらわたしが他人を気にしないアウトローでも、こう目立っちゃやりにくい。
「邪魔!
あんたも宿題とかレポートとか、やることあるでしょ?
わたしのモットーは、勉強は学校で済ます、なの。
自分の教室、戻りなさいよっ!」
「俺は文系だからね、レポートとかないし。
大丈夫、俺の勉強は授業中ばっちり済ましてっから。
霧子は気にせず宿題に集中していいぜ」
「誰もあんたの心配なんてしてなません!」
「そっかぁ~、今日も一緒に病院行こうなぁ」
微塵も行動を改める気のない山之辺に、何を言っても無駄だった。
まぁ確かに、わたしは日常を崩さず、そこに山之辺がいるってだけなのだけれど。
母の入院期間を過ぎても、山之辺とわたしの病院通いは続いていた。
由紀ちゃんに毎日会うのが、なんんだか日課のようになっていて。
そんなこんなで繰り返される山之辺との日常が、いつしかわたしの普通になっていたのだ。