キスが教えてくれたもの♪


「別れないなら、あたしたちにも考えがある。

山野さん、あんたの学校生活、滅茶苦茶にしてやるからっ!」


――って、それは本格的な脅しじゃありませんか?


「聞き捨てならない台詞ね」

わたしの正義感に火がついた。


「な、なによっ! あたしたちは本気よっ! だから、別れなさいよっ!!」


わたしは覚悟を決め、彼女達にその道義的誤りを正すべく向き直った。


「わたしは個人が幸せを追求する権利を認めてる。

だから、あなた達の主張する権利も認めてあげる。

でも、わたしにはあなた達の権利を受け入れる義務はない。

何故なら、わたしにもあなた達と同様に、幸せを追求する権利があるから。

そこのところは平等なのよ。

それを脅して強要しようとするなんて、それ犯罪だから。

あなた達、わかってやってるの?」


わたしは毅然とした態度で三人と対峙した。


「な、なによっ! 大げさなこと言っちゃって。

こんな女、なんで……」


「霧子っ!」


とその時、山之辺が教室のドアを開けた。
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