キスが教えてくれたもの♪

「ねぇ、山之辺?」

「正哉、だろ? 全く、霧子は全然わかってないな、お仕置きだ」

「な……」

何言ってんだ、というわたしの問いはそのままやつの口付けに飲み込まれた。


――不味い、先手を打たれた。


左手でわたしの頭を支えながら、山之辺のキスは勢いを増していく。

息も絶え絶えにやつの舌に翻弄され、わたしの意識は遠のいていくばかりだ。

その一方で、やつの右手がわたしの制服の上着を脱がしていく。

少しばかり身を捩って抵抗してみたものの、無駄な努力だと諦める。


――ったく、器用なやつ。


セーターを脱がされ、ブラウスに滑り込んだやつの大きな手がわたしの肌に纏わりつく。

その手がしっかりと腰から背中を抱きこむように包み込む。

温かく湿った手が思いのほか心地よくて、わたしは思わず声をあげた。


「あ……」


その瞬間だった。

やつの指が器用にもわたしのブラのホックを外したのは。
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