キスが教えてくれたもの♪


「ストッ~プ! ちょっと待て」


わたし達のやり取りが喧嘩の様相を呈してきたのを、見るに見かねて咲が割って入ってきた。

「二人とも、ちょっと冷静になろうよ。

大前提として、山之辺、あんたの分が悪いのは目に見えてる。

プロポーズなんて世紀の大イベントを、放課後の廊下で、まして、あたしを交えた雑談ついでにやろうってのがそもそもの間違いだよ。

これからクリスマスとか正月とか、素敵なイベントもあることだし。

とりあえず白紙に戻して仕切りなおせ。

これじゃイエスもノーになる最悪の状況だ。

山之辺、こういうのは雰囲気が大切なんだ、雰囲気が」



霧子だって乙女なんだから、咲はそう言って山之辺の肩を叩いた。
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