キスが教えてくれたもの♪
∞思う壺


「霧子いくぞ」


エコバックを肩に掛け、空いた右手を差し出された。

わたしは無言でその手を握る。

それはいつもの日常だった。


「ちょっと公園寄ってくか」


山之辺家までの帰り道、住宅街のポケットパークでやつは足を止めた。

わたし達は時折、この公園で一休みして語り合うのだ。

それは学校の話だったり、由紀ちゃんのことだったり、趣味のバイクや絵の話だったり。

たぶん今日は、さっきの結婚の話。

わたしをベンチに座らせると、山之辺は自販機に飲み物を買いに行った。
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