キスが教えてくれたもの♪
「責任とるとか、恩をきせるとか。
俺はそういう意味でお前と結婚したいって思ってる訳じゃないぞ」
それでもやっぱり山之辺の意思は固い。
「だってわたし達、まだ十七歳だよ」
「ったく、お前も案外保守的だな」
「わたしだって、女は十六、男は十八で結婚できるってことくらいは知ってるよ。
祖父母の時代はそれが当たり前にあったこともわかるけど。
昔と今は違うでしょ」
話は堂々巡りだ。
やつの思いは、どうやらわたしの計り知れないところにあるらしい。