キスが教えてくれたもの♪
ロータリー真ん中に聳え立つ緑の電飾で飾られたツリーには、加えて色とりどりの光り輝く電飾ボールが瞬いていた。
その後ろには天の川よろしく、星が流れるような白色の滝が上から下へと繰り返される。
「なんかお祈りしたくなっちゃうよね」
無邪気な顔で由紀ちゃんがわたしに同意を求めた。
「いいんじゃない、流れ星に見立てて」
そうだよねぇ、と呟きながら手袋をはめた両手をしっかりと合わせ、由紀ちゃんが目を閉じた。
きつく結んだ口元には、真剣さが滲み出ていた。
何をお願いしているのか気になるところではある。
隣りに立つ山之辺も、その様子をじっと見つめていた。