キスが教えてくれたもの♪


「霧子、そろそろケンタとって帰るか。由紀も冷えるし」


ボォッとイルミネーションを眺めていたわたしを山之辺が促した。

「あ……、うん、そうだね」

わたし達は駅前のケンタッキーにクリスマスのパーティーバーレルを予約していた。

ケーキは既に入手済み。

あとは帰って家でクリスマスパーティーの予定なのだ。


店でチキンを受け取り、駅前からタクシーで帰ることに。

山之辺は慣れた手付きで由紀ちゃんを車椅子から抱き上げ、後ろの座席に座らせた。

わたしはその隣りに座り由紀ちゃんを支える。

「すいません、後ろいいですか?」

運転手さんに一声かけて後ろのトランクに車椅子を畳んでしまうと、山之辺は助手席に乗り込んだ。
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