キスが教えてくれたもの♪

寒いと思ったら、空からはチラチラと白い雪が舞っていた。

積もるほどの勢いではないが、ホワイトクリスマスには違いない。

街灯に照らされて、雪が眩いばかりに光り輝く。

わたしは上を見上げてたままそっと目を閉じた。


と同時に唇に温かい感触が重なった。


「ん?」


驚いて目を開けると、そこにはちょっぴりにやけた山之辺の顔があった。


「キスして欲しいのかなって」

「そ、そんなわけないでしょっ!」

「俺は霧子にキスしたかったし」


そのまま抱きしめられて、また目を閉じた。
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