キスが教えてくれたもの♪
∞人間万事塞翁が馬
「あらためて、メリークリスマス」
山之辺から手渡されたのは、小さな包みだった。
中には、金の鎖にMを形どったペンダント。
「ほんとは指輪をあげたかったんだけどな。霧子には邪魔だろうと思って」
確かに、水仕事を厭わないわたしに指輪は邪魔だ。
やつはわたしのことを良くわかっている。
「ありがとう、大事にする。ペンダントならいつもつけてられるし」
わたしは早速、マフラーをとってペンダントをつけてみた。
「どお?」
「霧子が気に入ってくれたなら、嬉しいし」
少し照れたやつの笑い顔が可愛い、なんて思うわたし。
「でも、なんでMなの?」
「じつはペアだったりして……」
山之辺は右手で首もとから、するすると鎖を繰り出した。
「俺のは霧子のK」
……やられた……