キスが教えてくれたもの♪
とは言っても、何をどうしたものか?
あの事件以来、わたしのこの学校での知名度は格段に上がってしまったから。
わたしが何処へ行くのも、何をするのも、自ずとみんなの視線を集めてしまい。
身動きができなかった。
――うぅ~、ホントうざい!
今まで、話したこともないような女子から声をかけられたり。
見たこともない男子が、挨拶をしてきたり。
仲良しだと思っていた、咲さえも
「さすが、有名人は違うね」
なんて皮肉を言うものだから、
「わたしに話しかける時は、事務所を通して」
なんて、いつもは口にしないブラックジョークを飛ばして、わざと遠ざけた。