キスが教えてくれたもの♪
「山之辺すまんな。
きっと何かの手違いや……」
美術の大里先生に付き添われて、職員室の出口に顔を出したあいつの顔は、少しだけ青ざめていた。
ふと、先生と目が合った。
「お~い、山野。
お前、昼の放送担当だったよなぁ~
山之辺の呼び出し、あれ、お前が読んだのか?」
「あ、はい。
原稿にメモが挟まっていたので、そのまま読みました。
何か、間違いでしたか?」
「いや……
なんでもない。
以前のメモが紛れ込んだのかもしれん」
先生はそう言うと、やつの肩に両手を置いて、こう言ったんだ。
「心配するな、間違いだ」