キスが教えてくれたもの♪
「やだ……なに?」
「あ、あたし知ってる。この子、山野霧子だよ。ほら、全国模試トップの」
「マサヤ、行こう!」
「こいつ、ただ目立ちたいだけだよ、ほっとこうよ」
頭の上では、口々にわたしに対する非難の声が聞こえていたけど。
わたしが謝ってるのは、こいつらじゃなく、山之辺正哉なわけで。
当の本人の声を聞くまでは、頭が上げられないじゃない!
うぅ……
頭に血が下がる。
「お前ら、先行ってて……」
「ええぇ~ ほっときなよぉ」
「いいから、後から行くからさ」
そんなやり取りと、去り行く足音の後……