キスが教えてくれたもの♪




「もういい加減頭あげろよ」




そんな素っ気無い声が聞こえてきて。


「許してくれるの?」


恐る恐る顔を上げると、不思議そうにわたしを覗き込むあいつの顔があった。


「だって、間違いだったんだろ?」

「えっと、その、実は違うの」

「どう違うのさ」

「つまり、その……呼び出しはわたしの意志で」

「お前の?」

「でも、山之辺君のお母様の事故の話は知らなくて……」

「何でお前が俺を呼び出すの?」

「それはその……」

「わかった! またキスして欲しくなったとか?」

「それは……」

「否定はしないんだ」

「だって……」

「キスして欲しいんだ」

「違っ……」

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