キスが教えてくれたもの♪
あいつの置かれた状況は、同情して余りある、あまりに悲惨なものだった。
『霧子、同情はいつか哀れみにかわるものだよ。
そんなの、自分だってされたら嫌だろ?
だから、霧子は人に同情しちゃぁいけないよ。
その代わり、理解するんだ。
理解すれば、霧子にもできることが見つかる筈だからね。
それが本当に、寄り添うっていうことさね』
極貧ギリギリの生活を経験してきた、祖母の言葉は重かった。
彼女は、同情、という言葉を一番嫌っていたのだ。