キスが教えてくれたもの♪




わたしは空を見上げて理解しようと試みる。

今、山之辺正哉の置かれている状況を。




胸が苦しくなって、寂しくて切なくなった。


――泣きたい気持ちだよね。


頬を涙が伝った。


それでもあいつが泣かないのは、泣いても何も解決しないとわかっているからだと思った。


見かけによらず、結構、出来た奴なのかもしれない。



そんなことを考える自分が可笑しかった。
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