キスが教えてくれたもの♪




かと言って、具体的にわたしにできることなど見つかる筈もなく。

いたずらに日が過ぎていった。




それは、祖母が亡くなって丁度一月目の月命日の日。

わたしは祖母に会いに、墓所を訪れていた。

まだ納骨も済ませていないのに、何だか不思議と祖母は祖父の傍にいるのだと確信していたのだ。


「婆ちゃん、理解するって難しいね。

頭で考えても、やっぱり涙が出ちゃうんだ……」


――この涙は同情なのかな?


そう考えると、何故か切なかった。

やつに同情しか返せない自分が不甲斐無かった。
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