キスが教えてくれたもの♪




――はぁ~ 目の毒だわ……




「山野さん、眩しいの? まだ日はそんなに高くないと思うけど」

驚いた、国語の田中先生が霧子に声をかけた。

「あ、はい。ちょっと左目が疲れていて。光が眩しいんです」

咄嗟の嘘にもソツが無いわたし。

「そう、お大事にね」

大丈夫、わたしはまだまだ冷静だ。


そもそも……

わたしは孤独を好むのだ。


気を使って他人と居るよりは、自由気ままな一人が良い。

そりゃ、仲間外れは嫌だけど。

人は必要な時に集まって、必要なことをすれば、それで万事無駄がないと考える。




それが今までのわたしだったのに……
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