キスが教えてくれたもの♪




「ねぇ、事務所通して和解を申し込みたいんだけど」




昼休み、一人、お弁当を机に広げたわたしの前に、元友人、若宮咲が立っていた。


「和解って?」

「霧子の誹謗中傷に相槌を打った件で」

「なにそれ?」

「なんかいい加減ムカついたんだよねぇ~

取り繕うあんたの姿みてたらさ、あたしなりに」

「それって、和解?」

「だから、御免って……」

「今、初めて聞いたよその言葉」


咲はそのままわたしの席の前に、机を付けて座るとお弁当を広げた。
< 58 / 237 >

この作品をシェア

pagetop