キスが教えてくれたもの♪



<<バタン!>>



と、しまった玄関のドアをボオォっと眺めた。

咲は一人、アイスを買いに出て行った。


――ま、いっか……


わたしは、洗濯物を干しに二階に上がる。


――早いとこ干して、食事の用意、用意っと……


野菜を洗ってサラダを作る。

ヨーグルトにフルーツを入れて。

ハムエッグにトースト。

昨日の夜に作ったポタージュを温めた。

コーヒーメーカーをセットする。

咲の分も含め、三人分の朝食を用意した。


「ただいまぁ~」


まるで自分の家のように、気取らない声が玄関に響いていた。
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