キスが教えてくれたもの♪



「おかえり、ねぇ、咲、先に朝ごはん食べちゃう?」


「ちわぁ~」


微かに野太い声に違和感を覚えて顔を上げれば、そこには山之辺正哉が立っていた。


「ええぇ~

な……」

「なんで俺がここにいるかって?

それはだな、この若宮咲に無理やり連れてこられたからだよ」


「ええぇ~」


と、咲を見れば

「だって、こいつ中学ん時のダチなんだけど、同じ学校じゃん?

だからなんかいっかなぁ~って思ってさ。

文系クラスだから、霧子は知らないかもしれないけど、こいつ、メチャモテルんだ」


「これからツーリングに行く途中だったのになぁ~

朝飯食わしてくれるって、ホント?」


良く見ると、奴の格好は、ライダーのそれで。

皮のパンツに、袖なしランニング、腰には皮ジャンを巻いていた。

全然、制服の時とは違う、ワイルドな感じ。

ちょっとドキっとした。
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