キスが教えてくれたもの♪



「アイス、冷凍庫に入れさせてぇ」



わたしの後を追ってキッチンにやって来た咲は、冷蔵庫の引き出しを開けると買ってきた棒付きアイスを無造作に放り込んだ。


「ねぇねぇ、どんな関係? 山之辺と霧子。

単なる知り合いには見えないなぁ~」


両肩に乗せられた手が、わたしの肩をキュウット揉んだ。


「単なる知り合いだよ」

「嘘だぁ」


――何だ、このスキンシップは!


「あいつ、モテるけど、誰とも正式に付き合ったりしないんだ。

だから、いっつも取り巻きが煩いほど纏わり付いてる」

「だね」

「やっぱ、相当深い仲だな。

霧子、白状しろぉ」

「きゃっ!」


肩を揉んでいた手が首まで伸びて、わたしは情けない叫び声を上げた。

聞かれた内容より、咲の急接近に戸惑いが隠せない。



こういう、親密感は苦手だ……
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