キスが教えてくれたもの♪
「若宮、いい加減にしろよ」
キッチンの入り口にもたれ掛かり、あいつが咲を睨みつけた。
ある意味、救世主?
わたしは助かったとばかりに、きっと凄く嬉しそうな顔をしていたのだと思う。
「俺と霧子は特別な関係だよ。
人には言えないな」
と、突然吐き出された、聞き捨てならない言葉。
意味深に笑ったその表情からは、あいつの真意は測れない。
説明を加えるべきか……
はたまた、このままあいつに任せ、放置すべきか……
「なんだよ!
あたしと霧子だって特別な関係だよ!
って、人には言えないって、どう言うことさっ!」
一瞬放心していたわたしの代わりに、山之辺正哉に食って掛かったのは、咲だった。