キスが教えてくれたもの♪


「あら、そうなの。

でも、折角だから朝食、召し上がって行きなさいよ。

ねぇ、霧子?」


「うん、今、用意してるとこ」


「だいたい事情はわかったから、さあ、みなさん、席に付いて頂きましょう」


母に促され、みんなが席についく。

母は母なりに、人付き合いの苦手なわたしの交友関係を慮ってくれたのだと思う。

確かに……

この状況は、わたしにとっても予期せぬ異常事態だし。


わたしの作った朝食を、みんなが黙々と食べる中、先に食べ終わった母が、

「昨晩は、救急が二件もあって、もうクタクタ。

霧子、お風呂沸いてる?」

と席を立った。


「あ、うん」

「みなさん、悪いけど、わたしは入浴後、就寝します。

気にせず、ゆっくりしていってね」


母は一言そういい置くと、食堂を出ていった。
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