キスが教えてくれたもの♪
「おい!」
居間に戻ると、山之辺正哉が怖い顔して立っていた。
「あ、まだいたんだ……」
わたしは、何故だかどっと疲れて下を向いた。
そもそも……
こいつが突然家に来たりするから、わたしが余計な気を使って疲れるんじゃない……
「朝飯のお礼、言わないで帰れるかよ……
悪ぃな、俺今日は久々ツーリングの予定だから、これで帰るわ」
「あ、うん……」
「いや、飯美味かったし、サンキュー!
まあ、若宮にも感謝だな。
これで、お前の家わかったし、また来るわ」
「えっ?」
とその言葉に驚いて顔を上げれば……
<<チュッ>>
わたしの唇に軽く、奴の唇が触れた。