キスが教えてくれたもの♪
「霧子、霧子っ!」
気が付けば、目の前に咲が心配そうな顔で立っていた。
「お前、大丈夫?」
わたしはどうやら、一人でトリップしてたらしい……
「あ……うん……」
「心配だから、俺、帰りにまた寄るわ」
「え……だ、大丈夫だよ」
「若宮拾って帰ってやるし」
「えっ、ほんと!
超ラッキー!!
もしかしてバイクの後ろ乗せてくれんの?」
「お前、ジーパンだし、大丈夫だろ?」
「えっと……でも……いいのかな?
彼女を差し置いて」
咲が伺うようにわたしを見たけど、
「だ、だから、彼女じゃないってば……」
わたしは力なく俯くことしかできなかった。