キスが教えてくれたもの♪




祖母の年齢を考えれば、彼女の死はいた仕方の無いことだった。




そう苦しむこともなく逝けたのが、何よりの救いだ。


わたしだって、もう高二だし。

自分の身の振り方くらい、自分で決められる歳だし。

これまで貰った沢山の愛に感謝こそすれ、後ろ向きに後悔することは何もない。

祖母が死んでも、わたしには母がいるし。

経済的にも何ら困ることはないのだ。

いつもの日常から、ほんの少し安らぎが減るだけ。

それだって、気の持ちようだ。

祖母が心配しないように、わたしがしっかりしなくては。

もう子供じゃないんだから……



そう納得した筈だったのに、やっぱり涙は流れてしまった。



――わたしも、まだまだだなぁ……
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