キスが教えてくれたもの♪



「や、やっぱ、霧子は騙せないなぁ~

実はさぁ、あたしも昔、山之辺のファンだったりして……

中学ん時に振られた一人だったりしてさ」


恥ずかしそうにそう口にした咲を前に、わたしはどう言ったらいいか皆目検討がつかなかった。


「そ、そうなんだ……」

「あ、でも、今は只の友達だよ。

今朝はちょっと懐かしくなって誘っちゃったけど。

それだって、あたしが霧子の家に行くって言ったから奴だって付いてきたんだと思うし……

親友の恋路を邪魔するなんて、あたしの主義に反するし。

だから、霧子は気にしないで!」


咲の告白に驚いたのは確かだけど、何だか今日一日の偶然が、必然に繋がったような気がした。
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