キスが教えてくれたもの♪




スタンドが外されて、バイクのエンジン音が上がる。




「行くぞ」

と聞こえたのは、空耳かな?


必死にあいつにつかまり、背中に顔を埋めた。

周りを見る余裕なんてなかった。


でも……

不思議と怖くはなかった。


胸のドキドキも、バイクの振動にかき消され。

手や身体に風が纏わり付いては離れていく。

目を瞑れば、あいつとわたしの身体は同じ周波数で繋がれてバイブしていた。



う~ん

これが俗に言う、一体感?



そうなら、なんて素敵な気分なんだろう……
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