【完】ラブ☆パワー全開
『写メ撮るよ』
って顔って結構、微妙だったりする。
勿論どんな仁でもかっこいいんだけど、
あの顔は……反則過ぎた。
あぁ、もう一回あの顔してくんないかな。
「はぁー。綾さん、俺の理性を飛ばしたいん?」
「ふ……え!?」
そう言い突然、
腕を引っ張られ引き寄せられた。
持ってたビールの缶をどこに置けば良いかわからなくて、宙に浮いたままの缶ビール。
時が完全に止まったあたしは仁の胸の中。
そして……
重なる唇。
周りを気にする事もない。
誰も邪魔なんてしない。
あたし達だけの空間でするキスは、こんなにも甘い。
絡み合う音が、静かな部屋に響いて恥ずかしくなる。
やっと唇が離れた時は、息切れに近い状態で。
涙目になって、肩で息をするあたし。
そんなあたしに耳元で、
「綾さん、エロイ」
低い声で囁きながら耳を甘噛みされて、
あたしの神経はそこに集中した。
何も考える事が出来なくて。
仁のことしか考えれない。