【完】ラブ☆パワー全開
そして、あたしの胸を包む大きな手に思わず声が漏れた。
「……んっ」
甘い吐息は勿論、
仁にも聞こえたはず。
あまりの恥ずかしさに、
仁を見上げるとやっぱり聞こえてたみたいで。
視線を逸らして誤魔化すことしか出来ない。
「……綾さん、もう止まれへんかも」
そう囁いた仁に、
あたしは何も言えなくて遠慮がちに首に腕を回した。
再びキスを交わし、
どんどんと進む行為にあたしは身を任せる。
視線が絡む度に、
真っ赤な顔のあたしをクスッと笑いながら
「可愛い」
そう顔を埋める。
あたしは、それだけで溶けてしまいそうになる。
だけど必死に耐える。
だって、さっきみたいな変な声……恥ずかしいもん。
「……っ」
普段優しい仁が愛撫する手は、男だと感じさせる。
その快感に呑まれそうで恐い。