【完】ラブ☆パワー全開
一度許された甘い声は、
終わりを知らない。
顔を隠したいのに、
何も隠す物もない。
持ってたはずの缶ビールは、
いつの間にか手から消え。
どんどん大胆になっていくあたしを、
もう自分では止めれない。
吐息が漏れる。
腰が浮く。
掴んだシーツに皺がよる。
初めての快感に酔いしれていた時
「ん、痛っ」
そう小さく叫んだあたしに、
仁の手が止まった。
「え。綾……さん、初めてちゃうよな?」
「う、うんっ」
まじまじと顔を見つめられて、余韻が一気に醒め
それと同時に恥ずかしさが増した。
な、何あたし……。
あんな声出して。
いくら聴きたい。
そう言われたからって……恥ずかし過ぎるよっ。
パニック寸前の頭の中は、
仁が何かを考えているのなんて全く気付かず。
ひとり言い訳の繰り返し。
「前にヤッたんて、いつ?」
「……へ?」
仁の言葉を理解するまでに時間がかかってしまった。
そして記憶を辿り……
「2~3年前くらい、かな?」
なんとも曖昧。
だって、覚えてないんだもん。
シタのだって実は今までに2回だけ。
だけど、そんなこと言ったら引かれちゃうよね。
23にもなって2回なんて……ヘンなんだよね?