【完】ラブ☆パワー全開
「じ、仁?」
「俺が謝ってんは、優しくしようって思ったのに出来んくてごめん。って意味やで」
「……は!?」
「綾さんは、俺がヤったら捨てる男やと思ったん?」
捨てる。とまでは思ってなかったけど。
そう意味じゃないの?
「心外やなぁ」
悪戯に笑った仁に、
「ご……ごめんなさい?」
と謝ってみた。
「ええよ、わかってくれたなら」
髪に指を通し、あたしの頭を撫でる。
仁は優しい。
優し過ぎるくらい、優しくて。
時々、恐くなる。
もし、呆れられた時。
あたしは、この優しさがなくても立っていられるのかな。って。
そもそも、何であたしなんて好きになってくれたんだろう。
どこが良かったんだろう。
正直、あたし面倒臭い女でしょう。