【完】ラブ☆パワー全開
でも綾さんは、擦れ違った俺も覚えてないし。
駅で会った俺すら覚えてないし。
敦の言う通り、
本間に年下は眼中にないってことが分かった。
だから、たまたま聞いた合コンの話。
それに無理矢理参加させて貰って。
敦の姉ちゃんには嘘なんて通るはずもなく白状させられたけど
『綾乃は手強いよ~』
って軽くOK貰えて逆に驚いたっていうか、なんちゅうか。
そして合コンで会った綾さんは、
やっぱり俺なんて覚えてなくて。
一人ビールを飲みまくり
誰も寄せ付けないオーラを出してた。
俺からすればチャンス。
半分以上のメンバーが
綾さんを綺麗だって言ってた。
でも合コンが始まった途端、
冷たく接する綾さんのそばには誰もいなくなって。
それとなく隣に座った瞬間、睨まれ
「何?」
のキツーイ一言。
普通なら可愛いげのない女。
でも何でやろ。
俺は、そう思わなかった。