【完】ラブ☆パワー全開



千恵のメイクは思ったよりも長くて、
既に集合してた皆の中に遅れて入った。



「あれ? 柊も参加? 珍しいー」



声をかけてきた中山君に



「好きだね、こんなの」



とにっこり笑った。



そう言えば、
中山君との出会いはこの親睦会だったなぁ。

それで付き合ったわけじゃないけど
親睦会に参加してなきゃ出会ってなかっただろうし。

やっぱり出会いはどこで訪れるのかなんて、

わかんないのかもね。



「あれ。綾乃ちゃんも参加?」



……うわっ。

そう微笑んで近付いてきた
山北さんに思わず顔が引き攣ってしまった。



「あー、どうも」



取り合えずの返事で交わす。



「綾乃ちゃん、連絡しても繋がらないんだもん。
避けられてるのかと思ったよ」



いや……避けてたんですけどね?

気付いて欲しいんすけどね?


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