【完】ラブ☆パワー全開
「ねぇ、仁。
あたしとね。付き合って思ってたのと違うなってことない?」
「何? 突然?」
クスクスと笑いながら、
ハンドルに両手を置き顎をつけ、あたしを見る。
「印象が違った……とか、かな?」
仁の中で、あたしはどんな風にうつってるんだろう。
23歳のあたしは、大人? それとも子供?
「う~ん……。ま、あるかな?」
やっぱり。
仁の中で、あたしの印象は違ったんだ。
「初めはどんな印象だった?」
「んー。もっとザバザバしてんかと思ったかな。
でも実際は子供みたいやん?」
山北さんの言う通りだ。
仁だって気付くくらいに子供ぽいんだね。
「でも全身で好きって出してくれるやん。
俺は、それを可愛いって思うんやけど?」
鼻の奥がツーンってして。
目頭が熱くなる。
その言葉で、さっきまでの不安が一気に飛んで行く気がした。