【完】ラブ☆パワー全開
意味がわかんない。
だって、何でそうなるの?
ちゃんと仁に聞かなきゃ。
何で皆が、礼子ちゃんの名前を出すのか。
仁の本命が礼子ちゃんなのか。
ちゃんと聞かなきゃ。
走って着いた先は、体育館。
「上映中なんでお静かに」
そう言われた言葉なんて
無視して中へ駆け込んだ。
派手な音楽が流れている中、
舞台には3-Aと書かれていて。
その中に仁を探すも居ないのは当然。
裏方って言ってたから……奥で何かしてるのかな。
そう思っても中に入れるわけがないし。
辺りをキョロキョロしても見付からない。
はぁ、あたし何焦ってんだろ。
終われば仁に会えるんだし、
今焦っても仕方がないのに。
そう思って、近くにあったパイプ椅子に腰を下ろしフゥーって溜息を零した。
その時だった。
ふと何気なく目線をあげたあたしの目に飛び込んできた仁の姿。
そして隣には……何の確信もないけど“礼子ちゃん”だと思う人が居た。