【完】ラブ☆パワー全開
「……そろそろ千恵迎えに行かなきゃ」
「え? うわ。もう、そんな時間か」
「うん。仁は、まだすること残ってるんでしょう?」
「そうやねん。この後、打ち上げもあるみたいやし」
「そか。なら、あたし行くね」
「ん。また連絡するな」
「うん♪」
大丈夫。
あたし笑顔作れた。
ちゃんと笑えたはず。
あたしの心の中で溜まった想いは仁に気付かれてないと思う。
気付かれたくないもん、こんな想い。
嫉妬で埋め尽くされた、
あたしになんて気付かないで欲しい。
今のあたしの顔は、
すごく醜くて不細工だと思うから。
仁は礼子ちゃんの気持ちに気付いていない。
それじゃあ、あたしは何て言えばいいの?
今何か言えば、仁から友達を奪うだけじゃない。
そんなこと言ったら、仁はあたしを嫌な女だと思うでしょう。
だから、言えないよ……。