【完】ラブ☆パワー全開
「3軒目星つけてるんだけどね」
結局、新入社員歓迎会の下見に来ているあたし。
これも仕事のうちと考えれば仕方のないこと。
わかる。
わかってるんだけどっ。
何で実際に行かなきゃ駄目なわけ?
こんなのって電話で予約取ればいーじゃん。
それに目星つけてるんなら、
山北さんが勝手に選んだらいーじゃんか。
「1軒は、去年使ったお店でさ?
2軒目は、過去に使ったことのあるお店らしいんだよね。
3軒目が俺がネットで調べたんだけど。
やっぱり、新しいところがいいよね?」
「そうですねぇ~」
隣で紙を見ながら、
よく喋る山北さんを見あげ溜息が零れそうになる。
「だよねー!
じゃあ、3軒目のお店に下見で決定って事で。
さ、行こう」
このテンションの高さに着いていけない。