【完】ラブ☆パワー全開



「何か意外だなって思って」

「意外って?」

「山北さんって、いつも先読みしてて大人ぶってるんだもん。
それが、こういうのには手が抜けなんだなぁーって思って」

「……かなり悪評価だね」



とか言いつつも、
少し頬を赤らめた山北さんの意外性に、また笑ってしまう。


何か山北さんの印象がちょっとだけ変わったかも。



人のイメージってのは大切だなって思った。

ついさっきまで警戒心剥き出しにしてたのに、
今じゃ打ち解けてしまって。

2人で飲みまくり。


あたしは、山北さんにズバズバと言いまくり。



「でも本当に彼氏大事にしてるよね。
俺、無視されまくり」

「本当、俺にはハッキリ言うのに
彼氏には言えないの?」

「う。痛いところ突かないでくれる?」



それは山北さんも同じらしく。



「気強いのにね」

「さっきから、ズバズバ言ってくれますね。
だから彼女出来ないんでしょ」



あははっと笑いながら、またビールを一口飲む。

あたしに言われたこととか
全く気にしてない山北さんは本当に変な人だ。



「だから綾乃ちゃんなってよ」

「絶対、嫌」

「冷たー」



何とでもどうぞ。

あたしには仁しかいないんだもん。

仁が居ればそれだけでいいんだもん。




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