【完】ラブ☆パワー全開
「年下の彼氏と上手く行ってるんだ?」
「……まぁ」
「何、今の間? もしかして上手く行ってないの? なら俺にしときなよー」
「しませんっ」
そこは山北さんの声に被るようにして断る、あたし。
「本当に冷たいなぁ」
ショボンとする山北さんに少し言い過ぎたかな。
と思いつつ横目でチラッと見ると
「で、何かあったの?」
って興味津々じゃない!
ちょっとは凹むってこと知らないのかな。
「別に何かあったわけじゃないんだけど」
「うん」
「ちょっとモヤモヤしただけっていうか」
「モヤモヤ?」
そう。
礼子ちゃんのことに気付いていない仁に、少しモヤモヤしたんだ。
あたしが見てるからかもしれないけど。
礼子ちゃんの気持ちは分かりやすいと思う。
仁の前でどういう行動をしてるかは謎だけど。