【完】ラブ☆パワー全開
『自分が駄目だからって思って、何でも自分が悪いって終らせてたんじゃない?
そんな恋愛は上手くいかないよ』
前に山北さんに言われた言葉を思い出した。
今回もそうなの?
あたしが駄目で。
あたしが悪くて。
それで、相手に終わりを告げられようとしてるのに。
まだ、あたしに出来ることなんてある?
これ以上は嫌われるだけじゃないのかなぁ。
嫌われたくないよ。
嫌われたくないからこそ、
あたしはこれ以上、何も……
違う。
あたし、まだ何も言ってない。
山北さんのこととか。
礼子ちゃんのこととか。
自分の思ってたこと、何も……!
足に力を入れ、
振り返ると目に飛び込んできた……仁の姿。
ゆっくりと、あたしに近付いてくると
「はあー……やっぱ泣いてた」
呆れた声と、
小さな溜息が聞こえた。