【完】ラブ☆パワー全開
「ふぇ?」
肩に手を置かれ、
仁の温もりが伝わってくる。
だけど、そんな温かさも束の間。
「頼むからサッサッと帰ってや……」
あ……。
あたしのことが気になって
来てくれた訳じゃないんだ。
その言葉の意味くらい理解出来る。
なら、無視して欲しかった。
こんな優しさ、痛いだけだよ。
せっかく決心した想いが消えていってしまう。
また弱いあたしだけが残ってしまう。
涙が頬を伝い、
ここから逃げ出したくなる。
だけど、こんなにもハッキリと言われてこれ以上先延ばしにして何になる?
諦めなきゃ駄目なんだよね。
でもさ。
あたし馬鹿だから、
ちゃんと言われなきゃわからない。
ちゃんと終わりにして、
仁の居ない世界を見なきゃ……。