【完】ラブ☆パワー全開
「え? あ……お家の人は!?」
そう声をかけるも無視されて。
無言で進む仁に連れられて来た先は、
2度目の仁の部屋。
ドアが閉まると同時に手首を離され、
トスンと小さな音を立てて仁はベッドに座った。
その場に立ってるだけのあたしは、
どうすればいいのかわからなくて。
「今日、翔さんいないんだね?」
妙に明るい声のあたしに
「……うん」
って……短かっ。
やっと返事してくれたと思ったら、
たったの2言で終了。
「美代さんとデート、かな?」
あはっ。と空笑いしながら言うと
「そう」
……だから短かいってばっ。
必死過ぎて空回りしてると
気付いたあたしは黙るしかない。
そして、座ってた仁があたしを見上げて、
一瞬絡まった目にドキッとして逸らしてしまった。