【完】ラブ☆パワー全開
こんな子供みたいな仁……可愛い!
いつもみたいに
大人で。
冷静で。
落ち着いてる仁じゃない。
こんな可愛い仁に……あたしがしてるんだよね?
そう思うと仁を抱きしめたくなった。
ギューって抱きしめたくなったから。
無理矢理体を回転させ、
驚いた顔を見せる仁を無視して抱きしめた。
こんなに行動に出たことに自分自身でも驚きだけどね。
「あの日帰ったのも怒ってたからだよね。
……ごめんね?
酔っ払って送ってもらったりなんかして」
仁を胸に抱きながら謝った。
あれは、絶対私が悪いから。
「あー、うん。
でも、何回も謝ってるやん……もうえぇって」
「うん……でも」
「てか……俺、帰った理由それだけちゃうし」
胸元から目線だけをあげる仁の顔が、
あまりにもかっこよくて。
あたしの心臓のドキドキは2倍速くなる。
それなのに、それなのに。
「あん時、綾とおったら、
めちゃくちゃにしてまいそうやったから」
この言葉に、3倍。
「嫉妬でめちゃくちゃに抱いてしまいそうやん……」
4倍、5倍と加速していく。