【完】ラブ☆パワー全開
なんて。
人が幸せに浸りながら仕事してるのに。
さっきから、うるさいなぁ。
声の主は勿論、山北さん。
「何ですか? 山北さん」
「あの後、大丈夫だったー?」
あたしの隣の椅子を自分の物かのように引っ張り出し、ヒソヒソ話す。
何か変な関係って思われるじゃない!
別にヒソヒソ話す必要ないし。
「ご心配なくっ」
100パーセントの営業スマイル。
少し、驚いた山北さんを見てざまあみろだわ。
「彼氏……怒ってなかったの?」
「はい♪」
『ふーん』
って少し残念そうなのは気のせい?
本当は、かなーり大変だったんだから。
あたしの中では。
悔しいから絶対言わないけどね。
本当にこの人何とかしなきゃ、また邪魔されるかも。
でも、ハッキリ言っても……駄目だしなぁ。
「でもさー?
男と酔っ払って帰った彼女見て怒らないってのもねぇ?」
少し嫌味のある笑顔。
はぁ?
何言ってんの、この人。
すっごい哀しい思いしたんだからね!