【完】ラブ☆パワー全開



なんて。

人が幸せに浸りながら仕事してるのに。


さっきから、うるさいなぁ。


声の主は勿論、山北さん。



「何ですか? 山北さん」

「あの後、大丈夫だったー?」



あたしの隣の椅子を自分の物かのように引っ張り出し、ヒソヒソ話す。


何か変な関係って思われるじゃない!

別にヒソヒソ話す必要ないし。



「ご心配なくっ」



100パーセントの営業スマイル。

少し、驚いた山北さんを見てざまあみろだわ。



「彼氏……怒ってなかったの?」

「はい♪」



『ふーん』

って少し残念そうなのは気のせい?



本当は、かなーり大変だったんだから。

あたしの中では。

悔しいから絶対言わないけどね。



本当にこの人何とかしなきゃ、また邪魔されるかも。

でも、ハッキリ言っても……駄目だしなぁ。



「でもさー?
男と酔っ払って帰った彼女見て怒らないってのもねぇ?」



少し嫌味のある笑顔。



はぁ?

何言ってんの、この人。

すっごい哀しい思いしたんだからね!



< 267 / 370 >

この作品をシェア

pagetop