【完】ラブ☆パワー全開
――仁と手を繋いで歩いて。
――仁とキスなんてしちゃって。
――仁と見詰め合って。
――仁と……えへへへへへ♪
全部、“仁と”ばっかり。
しかも妄想もエロくなってきてるし。
でも、独り布団の中だし。いいのいいの。
なんて思ってる私の耳に届く声。
「……笑ってる」
んん!?
やっぱり仁の香りがする。
てか、仁の声がする。
重い瞼をゆーっくり開けると……
「じっん!?」
精一杯の大きな声と態度で驚いた。
いつもの優しい笑顔じゃなくて、
心配そうに覗き込む仁に熱で赤くなってる顔が、一段と赤みを増した。
起き上がろうとしても重くて動かない体。
「あー、そのままでえぇから」
一応、努力したから布団が乱れたのを直し、
「こんなんなってんやったら、早よ電話してくれればいいのに」
なんて少し怒り気味。