【完】ラブ☆パワー全開
「あ……キスしてもいいですか?」
「え? あっ、はい……あ、でも風邪うつるし」
惜しいけど。
じゃなくて残念だけど……。
すごーくしたいけど。
風邪うつしたら悪いもんね?
後……数センチが悔しい。
「うつしたらえぇやん。綾さん治るんやし」
「えっ? ……んっ」
馬鹿。
本当にうつっても知らないからね?
仁の言葉に驚いたあたしを無視して、
数センチ前にあった唇が重なる。
大きく見開いた目をゆっくり閉じ、
何度も何度も角度を変えてキスをした。
手を絡め、仁を見つめたベットの中。
「綾さん、何か欲しいもんある?」
「……仁」
真っ赤になった顔をベットに埋め
『んな、ストレートありえへん』
って呟いた。
だって……本当なんだもん。
ずっとそばに居て欲しいんだもん。