【完】ラブ☆パワー全開



どうするかな。
また服掴まれてるし。


可愛いけど……これじゃ良くならへんもんなぁ。


そう思い、何気に脱いだ服を差し出して



「うーん……じゃあ、コレ置いて行くから待っててくれる? あかん?」



って、子供ちゃうんやから無理か。


自分でしたくせに……ちょっとハズイし。

綾さんも驚いてるやん。


引きつりながら笑う俺に

『うん』

って服を握り締めた。



「あはっ! それでえぇんや。ちょっと待っててな?」



そう言いながら、
キッチンに行って座り込んでもた俺。



有り得へんて。

アカンて。

何や、あの力なく笑った顔。


めっちゃ可愛すぎるんやけど。


心臓がドキドキ速くて。

探すフリをしながら、落ち着くのを待った。


戻った時には、俺の服を抱きながら寝てる綾さんの姿が可愛くて……思わず抱きしめたくなった。


あかん!
病人やのに。



……。



よう寝てるし、コンビニでも行くか。

うん、そうやな、そうしよう!

自分の中で会話するなんて……キモイ過ぎる、俺。



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